美しく大変品質の高い、見ごたえのある大きなフランスアンティークの油彩画です。
左下に署名がみられますが、画家の詳細については不明です。
譲って頂いたフランスのコレクターの方が仰るには、
花を描く有名画家が時折、仮名を使って発表することがあるそうですが、
おそらく、この絵画はそのような作品であると考えているとのことでした。
リボンを巻いたフラワーベースに纏わりつくように描かれた緑色の光沢あるカーテンと花々が、
筆のタッチをそのまま生かし、生き生きと美しく描かれています。
また、ほの暗い背景の中で自然光がスポットのように当たることで、
ブーケが美しく浮かび上がています。
零れ落ちた花々にも表情を持たせた画家の美しい感覚が溢れ出しているように思います。
時は絶え間なく流れ、人は死に時代は移ろってゆきます。
けれど、芸術はいつでもその当時の静謐の中にいます。
時は過去の時間から、素晴らしい作品を現代にそっと残してくれています。
その時代に思いを寄せて鑑賞出来る絵画は本当に素晴らしいです。
これからもそのような絵画をご紹介していきたいと思います。
コンディションについて
繊細なフローラルのレリーフが施されたフレームはオリジナルとなります。
ところどころ、小さなカケが見られますが、概ね良いコンディションです。
キャンバスには3か所、小さなホールや破れが見られます。
2か所ほど補修された跡が見られます。
全体からは、それほど目立つものでは御座いませんが、
詳細画像をどうぞご参照ください。